2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656180
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴由 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30243182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029216)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
小林 章郎 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70285287)
多根 正和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80379099)
永瀬 丈嗣 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50362661)
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Keywords | 応力遮蔽効果 / 金属インプラント / ベータ型Ti合金 / 弾性定数 / 力学特性 / 一方向性孔 / 骨再生 / アパタイト結晶 |
Research Abstract |
金属材料をはじめとする生体に本来存在しないマテリアルを積極的に利用することで、生体が本来発揮する以上の機能をも引き出すことを可能とする。こうした考え方を本提案課題では「Material Bone Biology」、いわゆる材料骨生物学と名づけ、生体骨と金属材料をはじめとするマテリアルとの近未来型の新たな関係を築くための新しい学問領域として提案・構築することを目的としている。マテリアル・ボーンバイオロジーの基本概念を構築・提案するために、金属材料をはじめとするマテリアルを最も効果的に活用できると考えられる生体硬組織に特化し、骨系細胞の活性と骨形成能を活用し、インプラントの孔形状、孔サイズ、孔方向、弾性率の最適設計を行う。そのために、骨微細構造の異方性とストレスシールディング効果に注目した。 本年度は、異方性ポアを有する小型インプラントに注目し、骨微細構造の異方性と孔方向をマッチングさせた場合の新生骨の導入について試みるとともに、弾性率の低いβ型Ti合金の育成とその弾性挙動、力学挙動について明らかにした。ラット脛骨欠損モデルでは、孔方向をコラーゲン/アパタイト結晶の配向方向(骨長軸)に一致させた場合に、著しい新生骨の形成が図られた。ただし、ヤング率の高い純Ti合金(hcp構造)を用いた場合には、骨成熟にともなう骨質の向上は阻害された。 こうした材質パラメータとしての弾性率の不整合を解消するために、ベータ型Ti合金の単結晶化を試み、FZ法を用いることで成功した。こうして育成された単結晶の弾性定数は、結晶方位に強く依存することことから、単結晶化による低弾性率化が、弾性率の不整合を改善できる可能性を見出した。さらに、力学特性にはβ相の安定性にともない大きな変化が現れ、マルテンサイト変態の見られる領域において、インプラントとしての疲労特性の改善効果が認められた。
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