2007 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な構造体中に微量分散する白金族金属の新規な高効率回収法
Project/Area Number |
19656197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 徹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (00280884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田 哲也 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80312651)
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Keywords | 白金族金属 / 合金化処理 / 塩化処理 / 高効率回収法 |
Research Abstract |
自動車触媒の基幹素材である白金族金属の高効率リサイクルは緊急の課題であるが,小規模で行える湿式法は処理時間が長く,強力な酸化剤を必要とするため処理困難な廃液が多量に発生するという問題点を有する。これらの問題点を解決するために,「強力な酸化剤が不要で,かつ処理時間の短い白金族金属の新しい回収プロセス」の新たに構築する必要がある。そこで本研究では,酸に易溶性の白金複合塩化物を予め合成することにより,強力な酸化剤を使用しなくても白金を酸に溶解させることができる新しいタイプの回収法の開発を目的とした研究を行った。 具体的には,白金単体(Pt)あるいは活性金属で合金化処理を施した白金合金(R-Pt合金,R:活性金属)を塩化物蒸気と反応させ白金複合塩化物を合成し,酸溶解前に白金元素の酸化数を予め増加させることにより,強力な酸化剤を使用しなくても白金が酸に溶解することを確認した。特に,FeCl_3を塩化剤として,Pt単体あるいはR-Pt合金に673K〜873Kにおいて塩化処理を3時間施すと,酸に易溶性の白金塩化物(PtCl_2)を合成できることが分かった。さらに,Ptは強力な酸化剤を含まない塩酸には溶解しないのに対し,上記の塩化処理を施すことによって,Ptの塩酸への溶解度が飛躍的に向上することを実証した。 これにより,本手法を用いれば,強力な酸化剤を使用しなくても白金族金属を高効率で回収できることを実験的に証明することができた。
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