2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656201
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 淳 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 准教授 (10293606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 光範 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (00113134)
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Keywords | 弾性表面波 / 非線形現象 / 霧化現象 / メカニズム / キャピラリー波 / 霧化条件 |
Research Abstract |
1. 霧化メカニズムの検討 弾性表面波(SAW)により生じる霧化のメカニズムについて,検討した.ハイスピードカメラ,オシロスコープによる観察結果に基づいて実験的に検討した.SAW伝搬面にある液滴が僅かな場合,縦波中へ放射されるSAWのエネルギは数dBである.この放射したエネルギにより表面張力に打ち勝って極微小液滴を発生することは困難である.一般的な超音波霧化の原理と対応させることにより,液滴表面に生じる表面張力波(キャピラリー波)が霧化の原因ではないかと推測した.また,液体中への縦波放射現象の詳細を理論的に調べるため,数値解析による変位分布からリサージュ図形を作成した.その結果,後方楕円回転している軌跡が縦波になる変換される距離は0.005波長であることが分かった.つまり,この膜厚以上なければ縦波放射とならないといえる. 2. 液体供給法の検討 これまでの濾紙による液体供給法に変わる素材,方法について検討を行った.当初,圧電結晶に穴を開ける方法を考えた.しかし,素子の耐久性や寿命を考慮すると,本手法は適さないことが明らかになった.霧化を安定して生じさせるには,SAW伝搬面に薄い液膜を保てればよい.金は親水性なため,SAW伝搬面に金膜を蒸着し霧化実験を行った.その結果,エレクトロマイグレーションにより金の下地層として用いたクロムが剥がれることが明らかになった.親水性膜を設けるというのは良いアイデアなので,今後工夫をしたい.
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