2007 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧マイクロ波プラズマによる非凝集ナノ粒子の高効率気相合成
Project/Area Number |
19656204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
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Keywords | 非平衡プラズマ / CVD / 低温プラズマ / エアロゾル / 静電気力 / サイズ・形態制御 / 金属酸化物粒子 |
Research Abstract |
本研究では、非凝集性の高いナノ粒子を比較的低温の反応場において高い効率で生成させることが期待できる、マイクロ波で発生させた大気圧非平衡の体積波プラズマをエネルギー源とするCVD法による気相合成法を開発して、実験的検討によりその有用性を明らかにすることを目的として研究を行った。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.マイクロ波プラズマを発生させるためのシステムを構築した。円柱形状の体積波プラズマを形成できるように設計されたマイクロ波の共振器(キャビティ)を、同軸ケーブルでマイクロ波電源に接続することで、プラズマ発生部分を製作した。 2.石英ガラス製の円管型のCVD反応器を製作し、管外壁にキャビティを取り付けた。ガスを流通させた状態で、キャビティにマイクロ波を導入し、反応器内の空間にプラズマが形成される条件を見出した。また、プラズマ発光を分光器に導いてプラズマ強度、プラズマスペクトルを計測し、プラズマ投入電力やガスの条件等による変化を考慮することで、粒子合成反応に適すると考えられる条件を予備的に選定することができた。 3.チタンの有機金属蒸気を粒子原料としてキャリアガスとともに反応器に導入し、酸化チタンナノ粒子を合成する予備的実験を行った。合成された粒子をシリコンウェハ上に捕集して高分解能電子顕微鏡を用いて観察した結果、サイズが数nmから数十nmの粒子が得られる条件が見出された。合成される粒子のサイズや凝集性は、ガス流量、原料濃度、プラズマ発生部の操作条件によって変化したため、これらが粒子性状を制御するために重要な条件となることが分かり、次年度以降の本格的な合成実験のために役立つ知見が得られた。
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