2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧マイクロ波プラズマによる非凝集ナノ粒子の高効率気相合成
Project/Area Number |
19656204
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汪 偉寧 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20467765)
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Keywords | 非平衡プラズマ / CVD / 低温プラズマ / エアロゾル / サイズ・形態制御 / 金属酸化物粒子 / 金属窒化物粒子 |
Research Abstract |
本研究では、非凝集性の高いナノ粒子を比較的低温の反応場において高い効率で生成させることが期待できる、マイクロ波で発生させた大気圧非平衡の体積波プラズマをエネルギー源とするCVD法による気相合成法を開発して、実験的検討によりその有用性を明らかにすることを目的として研究を行った。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.マイクロ波投入電力、ガス流量(反応器滞留時間)、原料ガスの濃度を変化させて粒子合成を行い、捕集した粒子の高分解能電子顕微鏡観察を行った。チタンの有機金属蒸気を粒子原料とした場合には、合成条件によってサイズが数nmから数百nmの粒子が合成された。また、プラズマ発光の分光分析を行い、ガスの解離の程度を発光スペクトルより評価することができた。 2.合成された粒子のサイズは、主に反応器滞留時間によって変化することがわかった。ただし、原料ガスの濃度が低すぎると、粒子発生に至らず反応器内の壁面で薄膜物質としての析出が生じ、濃度が高すぎると、凝集体粒子が発生する傾向があることもわかった。 3.ガリウムの有機化合物蒸気とアンモニアガスを用いた窒化ガリウムナノ粒子の合成について検討した。プラズマ発生条件、キャリアガス・原料ガスの条件を探索することにより、サイズが10nm以下のナノ粒子が合成された。合成粒子の顕微鏡観察により、粒子サイズや形態、凝集状態が合成条件によって制御できる可能性を見出した。 4.3で得られた窒化ガリウムナノ粒子の組成、および蛍光特性の計測を試み、元素比および蛍光スペクトルを評価することができた。 5.以上の実験結果をふまえて、粒子サイズ、サイズ分布、凝集状態の制御性、合成速度などの観点から、本合成法における操作因子の影響の整理を始めた。この知見を、次年度の合成実験の条件設定に活かして、本合成法の特徴と有用性をより明確にしていく予定である。
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