2007 Fiscal Year Annual Research Report
電界を用いた触媒相操作のための事象適応型センシングシステム
Project/Area Number |
19656208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 秀行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (90313345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 千秋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80114867)
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Keywords | ソフトセンサ / 交流電界 / 触媒反応 / 動画像情報 / 運転操作 |
Research Abstract |
安価で毒性の低いポリエチレングリコール(PEG)を用いた三相系相間移動触媒反応プロセスにおいて触媒相を電界により操作することを目的とし、運転操作の効率性向上に貢献しうるセンシングシステムの構築を検討した。 平成19年度はまず、「動画像情報と局所的プロセス情報の融合による反応器内部事象同定システムの構築」に着手し、以下のような知見が得られた。 (1)電界操作下の第3相形成現象の解析 コンパクトセル内に水酸化カリウム、フェノール、PEGを含む水溶液とトルエンを注入し、セル内に設置された微小電極間距離を有する二枚の電極へ高周波(数100KHz)の交流電圧を印加した。電圧印加によって生ずる白濁した中間相(触媒相)の形成現象とセル内温度の時間的変化を併せて検討した結果、触媒相の操作において温度の影響が大きいことを明らかにした。 (2)センサ・動画像の同期的収集システムの構築 (株)デジモ製・SensorCubeグレードアップキットを導入することで、プロセス内の電流、電圧、温度の経時変化と反応器内部の中間相形成過程の動画像をマッチングさせながら解析することのできるセンサ・動画像の同期的収集システムを構築した。 (3)動画像情報とプロセスセンサ情報のマッピングを行う手法の検討 プロセス操作実験を行い、中間相形成挙動は電極間のPEG溶液の相変化と相変化した流体の移動による相分離が混在した挙動であることを示した。さらに上記システムを用いることで、電流・電圧間の位相差の時間的変化と相分離挙動の相関関係を明らかにすることができた。 以上の検討のなかで、動画像情報とプロセスセンサ情報のマッピングを行うシステムの構築においては、熱力学モデルや輸送現象モデルに基づく数値シミュレーションの導入の必要性が見出された。
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Research Products
(10 results)