2008 Fiscal Year Annual Research Report
電界を用いた触媒相操作のための事象適応型センシングシステム
Project/Area Number |
19656208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 秀行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (90313345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 千秋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80114867)
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Keywords | ソフトセンサ / 交流電界 / 触媒反応 / 動画像情報 / 運転操作 |
Research Abstract |
交流電界操作を用いた三相系触媒反応プロセスについては、「中間相形成操作」と「反応操作」の二つにオペレーションを分類することができる。平成20年度は安息香酸フェニル生成プロセス実験を通して、各操作における動画像データ利用の有効性を検討し、以下のような知見が得られた。 (1) 中間相形成操作 前年度に、中間相の形成挙動は電極間のポリエチレングリコール(PEG)溶液の「相変化」と相変化した流体の移動による「相分離」が混在した挙動であると実験的に推察された。そこで、電熱による局所的相変化を考慮した中間相形成挙動のハイブリッドシミュレーションを行った結果、相変化に伴う局所的密度変化と自然対流の影響を定量的に検討することができた。さらに、操作量の変化と中間相形成事象の遷移との間の相関関係のモデル化において、構造化モデリング手法“Interpretive Structural Modeling"の適用性が認められた。 (2) 反応操作 攪絆によって形成された中間相を光学的および電気化学的に解析した結果、中間相は触媒であるPEGが濃縮した連続相と有機溶媒(トルエン)の分散相から構成されていることが明らかになった。そこで、反応物(塩化ベンゾイル)を含む有機溶媒の注入方法が安息香酸フェニルへの選択率に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果、塩化ベンゾイル濃度によって変化する反応液の注入挙動の動画像情報が、転化率と選択率の動的解析に有用な知見を与えることが示された。 以上の結果より、物理モデルに基づく数値シミュレーションを併用することで、動画像データが中間相形成操作の効率化に有効な情報を与えることが明らかになった。さらに、時間的に遷移する中間相の巨視的パターン(厚さ、色など)に応じて、水相-有機相の界面付近から反応液注入箇所付近へと動画像フレームを変動させる手法の有用性が示された。
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Research Products
(8 results)