2007 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強ラマン分光法による超音波洗浄プロセスのミクロ分析
Project/Area Number |
19656209
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
香田 忍 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (10126857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 毅 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80345917)
|
Keywords | 超音波 / 洗浄 / 表面増強ラマン / ナノ粒子 / その場観察 |
Research Abstract |
ローダミン6G (R6G)を吸着させた銀ナノ粒子のコロイド溶液を調製し、研究室現有の間接照射型超音波照射装置で超音波を照射しながら、表面増強ラマン(SERS)スペクトルの時間変化を測定した。低周波(20kHz)では十分な超音波強度が得られなかったため、実験には高周波(500kHz)の超音波を用いた。ラマンおよび蛍光バックグラウンドの強度は共に、いったん増加した後減少するという時間変化を示したが、その変化速度は両者で異なっていた。超音波強度を上げると、両スペクトル強度の時間変化は共に速くなった。蛍光強度は、SERS不活性なR6Gのコロイド表面からの脱着と、それに引き続くR6Gの超音波分解を反映し、SERS強度は、SERS不活性なサイトから脱着したR6GのSERS活性サイトへの再吸着とSERS活性サイトでのR6Gの超音波分解を反映しているものと考えている。このスキームに基づけば、SERS活性サイトとSERS不活性サイトで吸着分子の脱着速度が異なることになり、本手法によって、金属表面上の吸着サイトごとの洗浄評価をその場観察できたことになる。 低周波で十分な超音波強度を得るために、直接照射型の超音波照射装置を設計・作成した。装置のテストとして、500kHzの超音波を用いて実験を行ったところ、間接照射型装置と同様の結果が得られた。次年度は本装置を用いて低周波での実験を行い、超音波周波数の効果についての検討を行う予定である。
|