2007 Fiscal Year Annual Research Report
微細管型反応器を用いた反応晶析初期過程の反応機構解析
Project/Area Number |
19656210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河瀬 元明 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (60231271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘆田 隆一 京都大学, 工学研究科, 助教 (80402965)
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Keywords | 反応晶析 / シュウ酸カルシウム / リン酸ランタン / Tミキサー / マイクロリアクター / 反応機構 / 迅速固液分離 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究は、反応晶析による微粒子成長プロセスについて,細管型管型反応器の採用によって無撹拌での迅速な混合を実現するとともに,迅速に反応を停止させる装置を開発することによって、マイクロ秒レベルの反応晶析初期過程を観察する手法を提案することを目的とした。ステンレス製内径0.25mmの装置を作製して反応晶析実験に使用した。原料溶液は定量的にティーユニオン内で正対するように流入させ混合した。反応管の長さを1mm〜5mの範囲で変えることによりマイクロ秒から秒のオーダーまでの反応時間を実現した。リン酸と硝酸ランタンからのリン酸ランタン合成とシュウ酸ナトリウムと塩化カルシウムからのシュウ酸カルシウム合成を行った。反応温度は0℃を標準とし、80℃までの温度について検討した。反応温度、原料濃度、pH、イオン強度が、粒子サイズ、粒径分布、粒子形状、粒子収率に与える影響を検討した。生成粒子を迅速に母液から分離することによって粒子成長を停止させる遠心力を利用した固液分離サンプリング装置を開発した。これにより,マイクロ秒のステージで反応を停止させて,成長途中のナノ粒子を観察することに成功した。リン酸ランタン粒子合成実験では、とくにpHによるリン酸の電離の影響が顕著であり,リン酸水素イオンの分率と粒子収率が強い相関を示し,成長の前駆体が第一電離物であることが示された。粒子成長過程の観察から,初期に生じた粒径の差が秒オーダーまで保存され,相対的に粒径の違いが小さくなることによって単分散粒子が得られることを明らかにした。シュウ酸カルシウム粒子合成実験では、収率だけでなく,結晶形の観察を行い,条件によって,単斜晶と正方晶の結晶形選択性が変化することを定量的に測定することに成功した。
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Research Products
(2 results)