2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656215
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野村 琴広 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (20304165)
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Keywords | 固定化触媒 / リビング重合 / 環境調和型合成技術 / 均一系錯体触媒 / オレフィンメタセシス / 開環メタセシス重合 / 球状ポリマー |
Research Abstract |
本課題は新しい固定化遷移金属触媒(固定化シングルサイト錯体触媒)の創製と同触媒の特徴を生かした高選択的有機合成プロセスの構築で、特に初期は「(星型・球状の)特異形状ポリマーの末端結合型の配位子を有する新しい固定化型錯体触媒」の精密設計・創製を主目的に課題に取り組んでいる。平成19年度の成果は以下の通りである。 (申請者が手法を確立している)モリブデン-アルキリデン錯体触媒による環状オレフィン(ノルボルネン)のリビング開環メタセシス重合を利用した、ポリマー末端への定量的な配位子前駆体の導入手法に注目して課題に取り組んでいる。詳細に合成条件を検討した結果、最初に環状オレフィンとコア分子との重合で核を形成させ、後に再びモノマーを添加してコア中心からポリマー鎖を成長させることで(Core first approachにより)、目的とする主鎖の鎖長・組成のみならず径が揃った高分子量の球状ポリマーを精密合成することに成功している。ポリマーの形状はTEMやAFM観察により確認し、後で加えるモノマーの添加量により、球径が異なることを明らかにしている。この手法に基づくと、置換アルデヒドを停止剤とすることで、球状ポリマー表面への官能基導入が可能である。配位子前駆体の導入にも成功しており、現在錯体化を検討している途上である。今後は錯体の合成・同定と、職バイオ特徴を生かした(同錯体触媒を用いる回収リサイクルが容易な)触媒反応への応用へ展開したいと考えている。
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