2007 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤー型誘電泳動フィルターによる細胞分離装置の開発
Project/Area Number |
19656217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
箱田 優 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00302456)
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Keywords | 化学工学 / 生物・生体工学 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 細胞・組織 |
Research Abstract |
初年度は本ワイヤー型誘電泳動フィルターの有効性を検討するため、周波数、印加電圧、透過液流速の影響について検討を行った。 ○周波数の影響:生細胞保持率に及ぼす周波数の影響は大きく、周波数により細胞の泳動は正負異なることが明らかとなった。さらに、周波数より誘電泳動速度も異なることが明らかとなった。その結果、マウスハイブリドーマ3-2H3細胞では1kHz程度の周波数が最適であった。 ○印加電圧の影響:生細胞保持率に及ぼす印加電圧の影響については,印加電圧の増大に伴って保持率が増大したが,40Vpp以上ではほぼ一定になった。これは,一定になった保持率は90〜95%であったが,生細胞であっても活性が低下したものもあり,高活性の細胞は100%近く保持されていることも考えられる。 ○透過液流速の影響:生細胞保持率に及ぼす透過液流速の影響については,誘電泳動力よりも透過液流速が大きければ,細胞は保持されることなく,膜透過することになる。それらの結果は,誘電泳動速度と液流速のバランスから求めた理論値とは異なったが,傾向は同様なものであった。 ワイヤー径と電極間距離をそれぞれ100μmと200μmの2種類について検討を行った。さらに,実験のみではなく,電界シミュレーションも行い,電場傾度の効果についても検討した。その結果,ワイヤー径と電極間距離が共に200μmから100μmと小さくなるのに伴って,電場傾度および誘電泳動力は10倍近く増大したと。 また,生細胞の分離後の回収率について検討した。その結果,印加電圧の増大に伴って回収率が低下していることが明らかになった。その原因は,誘電泳動フィルター周辺の形状にあることが考えられたため,現在,誘電泳動フィルター近傍の形状を改良している。,
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