2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス負荷バイオメンブレンによる遺伝子制御に関する研究
Project/Area Number |
19656220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 大 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20311772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保井 亮一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40029567)
島内 寿徳 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (10335383)
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授 (50029295)
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Keywords | メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / 遺伝子 / 生体膜 / バイオリアクター / 無細胞タンパク質合成系 / 緑色蛍光タンパク質 / リフォールディング / ストレス応答 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、Membrane(生体膜/モデル生体膜)のストレス応答機能を利用する新規な遺伝子制御技術の開発である。ここでは、以下の3項目に関して検討している。 (1) In vitro転写・翻訳プロセスにおけるリポソームの役割 (2) In vivo合成プロセスにおける生体膜の役割 (3) In process生産系への応用 本年度では、特に(2)と(3)について検討した。種々の膜特性(電荷密度、流動性、ドメイン形成度など)を有するリポソーム共存系において、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現効率を検討した結果、翻訳されたペプチドとリポソーム間の静電相互作用を適切に制御する必要性が示唆された。また、転写の際メッセンジャーRNA(mRNA)からの遺伝子発現効率を検討した結果、mRNA-リポソーム間静電相互作用が遺伝子干渉効果に影響を及ぼすことが見出された。さらに、特定の酸化ストレスを負荷すると、遺伝子干渉効果が緩和できることを発見した。したがって、ストレス負荷生体膜が遺伝子発現過程を制御することが可能であることが示唆された。さらに、項目(3)について、Streptmyces griseus株による酵素キトサナーゼの生産プロセスにリポソームを利用した結果、キトサナーゼの膜上への提示が可能であり、膜の水和特性に応じて、キトサナーゼ活性を制御できることが示された。 以上より、リポソーム(モデル生体膜)による遺伝子発現過程ならびに菌体による目的生産物(タンパク質)の生産プロセスの制御技術の枠組みを提案することができたと考えられる。
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Research Products
(28 results)