2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656222
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川上 幸衛 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (70091345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井嶋 博之 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10274515)
境 慎司 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (20359938)
武井 孝行 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90468059)
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Keywords | 生物・生体工学 / 再生医療 / 人工指骨 / ナノファイバー / ヒロドゲル / ティッシュエンジニアリング |
Research Abstract |
事故などにより指を切断するなどした患者に対して、本来の指骨に限りなく近い人工指骨構造体を適用できれば、彼らのクオリティーオブライフ向上のために有益であることは間違いない。また、このような指骨構造体を作製可能な技術を確立すれば、それを基盤として指骨以外の臓器の構築も可能となる可能性を有している。本研究では、ヒドロゲルの内部に血管構造体の鋳型となる血管構成細胞からなる構造体を作製した後に、エレクトロスピニング法を利用して、その周囲をシリカおよびコラーゲンのファイバーで覆うことで人工指骨の構築を目指している。平成20年度には、前年度にヒドロゲル内で自発的な毛細血管網の構築が起こらなかったことから、それを可能とするための新たなヒドロゲル材料の開発と、シリカファイバーの生体親和性の向上に関する検討を行った。前者に関して具体的には、細胞親不口性が非常に高いことが知られているゼラチンを新たなヒドロゲル材料として利用するために、細胞に穏和な酵素反応で架橋し、さらに体温下でも溶解することのない架橋構造を導入した。この新たなゼラチン誘導体は、未修飾のゼラチンと同様の高い細胞親和性を保持しており、さらに、架橋形成のための酵素反応を適用することによって、10秒程度でゲルを形成できることを見出した。後者のシリカファイバーの高機能化に関しては、細胞接着性ペプチドでコートすることによって、細胞の接着性を20%程度向上させることができた。また、骨の主成分であるアパタイトに関して、シリカファイバーの熱処理の有無によって骨親和性をコントロールできることを見出した。
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Research Products
(2 results)