2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656224
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 義博 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
|
Keywords | レーザープラズマ / 誘導加熱プラズマ / 高エンタルピー気流 / プラズマ診断 |
Research Abstract |
宇宙往還機や惑星探査機の開発には大気突入時に過酷な空力加熱から機体を守る熱防護システムが必要である.そのためには地上設備により突入環境を模擬する必要があり,このような高エンタルピー気流を生成するため,本研究では連続発振レーザーによりガスを加熱するというレーザー駆動風洞を提案し,その可能性に関する基礎実験を行ってきた。 1.純酸素,二酸化炭素レーザープラズマの気流生成 本年度は前年度に引き続き作動ガスとして,雰囲気圧力,レーザー出力,レーザープラズマ生成部ならびにオリフィス,超音速ノズルの幾何形状など作動環境や作動条件を変化させて,純酸素,二酸化炭素を用いてレーザー維持プラズマ(Laser Sustained Plasma)の生成実験を行った.その結果,レーザー出力800W〜1500Wにより総圧0.2MPa〜0.7MPaの二酸化炭素プラズマの安定作動とその高エンタルピー気流の生成に成功した.一方,100%純酸素プラズマでは着火時のロッド(SUS)の損耗が激しく生成維持が困難であったが,アルゴンなどの希ガスを混合することにより,レーザープラズマの生成と維持が次第に安定化して,当初の目標にほぼ相当する高エンタルピー気流を生成することが可能となった。 2.風洞性能評価 上記レーザープラズマの生成に関する基礎データを取得後,LSPを超音速ノズルにより加速することで風洞としての性能を検証した.診断法は半導体レーザー吸収分光法システムを用いた.吸収プロファイルのドップラー幅及びドップラーシフトよりノズル出口直後での並進温度分布及び流速分布を取得し,これより,気流の比エンタルピー分布,化学組成分布を求めた.またこれに加えて,二酸化炭素の気流での測定精度を高めるため高感度レーザー吸収分光法(lntegrated Cavity Output Spectoscopy)の適用を試みた.これらの計測実験により,レーザー駆動による高エンタルピー風洞の諸特性を調べ,風洞性能の評価を行った。
|
Research Products
(3 results)