2009 Fiscal Year Annual Research Report
極低レイノルズ数での剥離渦構造の解明と火星飛行探査システムの揚力面設計への応用
Project/Area Number |
19656227
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
米本 浩一 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 教授 (80404101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 廣志 西日本工業大学, 工学部, 教授 (10069833)
高藤 圭一郎 西日本工業大学, 工学部, 准教授 (10461485)
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Keywords | 低レイノルズ数流れ / 三次元翼空力特性 / 層流剥離 / クッタの条件 / NS方程式 / 直接シミュレーション / 火星飛行探査システム |
Research Abstract |
3次元翼の低レイノルズ数空力特性については,PIV(Particle Image Velocimetry)測定による流れの可視化風洞試験を実施した.小さな迎角から翼上面で渦が形成され始めていること,迎角の増加に伴い幾つかの渦形成パターンの出現が高レイノルズ数では見られない空力特性の非線形性を誘起することを明らかにすることができた.また,後流計測により,運動量理論から抵抗係数を分解したところ,迎角が大きくなるに従って誘導抵抗よりも形状抵抗の方が卓越するという特徴を見出すことができた.矩形翼やデルタ翼という平面形を有する3次元翼についての風洞試験において,レイノルズ数が小さくなるほどアスペクト比等の平面形の差異が小さくなるという結果に対して,物理的な理解を与えることができた. 2次元翼のCFD(Computational Fluid Dynamics)による直接計算結果では,風洞試験で得られた揚力抗力特性と極めてよい一致を示すことができた.解析の結果,低迎角において揚力傾斜が負になる現象は,翼後縁における流れの下面から上面への回り込みによるものであること,また迎角が大きくなると翼上面での渦の形成パターンが複雑になり,揚力や抗力特性の非線形性に大きな影響を与えていることを裏付けることができた.3次元翼についてのCFD直接計算も実施し,空力的な3次元性の出現とレイノルズ数との関係にっいての検討を行うことができた. 以上の風洞試験および数値計算の結果から,火星飛行探査に適した固定翼の空力特性や空力設計方法にっいての大きな知見が得られた.宇宙航空研究開発機構が2017年に計画している火星探査航空機の開発に向けて,平成22年よりスタートしたワーキンググループの一員として,この成果を活用する予定である.
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[Presentation] Aerodynamic Characteristics and Vortices Structure of Two-Dimensional Airfoil in Low Reynolds Number Flow2009
Author(s)
Inoue, Y., Sato, T., Nishihara, K., Takato, K., Yonemoto, K.
Organizer
APISAT(Asia-Pacific International Symposium on Aerospace Technology)2009
Place of Presentation
Gifu, Japan
Year and Date
20091104-20091106
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