2008 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気発酵を用いた資源・エネルギー分離生産型新規バイオプロセスの構築
Project/Area Number |
19656243
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳本 勇人 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (70405348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘之 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50081360)
|
Keywords | 嫌気発酵 / 資源・エネルギー / メタン発酵 / 水素発酵 / 菌叢解析 / グリセリン / 交互生産 / 制御因子 |
Research Abstract |
嫌気発酵菌群は主に、加水分解菌、酸生成菌、メタン生成菌が複合菌叢として共生関係を築いている。従来、二相式で酸発酵とメタン発酵を分離制御する方法がとられているが、本研究では、1つの発酵槽内で菌叢を制御するのが目的である。本研究ではすでに、濃度依存性で発酵特性を劇的に変化させるグリセリンを菌叢制御因子として発酵槽に投入すると、水素、メタンが交互に生産されることを確認している。本年度は、実際の廃棄物である廃グリセリンを発酵基質に用いても、これまでに見出してきた発酵挙動の劇的な変化が起こることを確認した。このとき、グリセリンとともに投入する微量の有機物が重要であることを新たに見出した。さらに、このときの水素発酵優先時における優占種を、16S RNA遺伝子を指標とするDGGE法により解析してきた。同様に、メタン発酵優先時についても分析し、投与するグリセリン濃度と優勢となる菌種および他のメタン生成菌との相同性についても解析してきた。その結果、本来メタン発酵を行う菌群から.グリセリン投与によって発酵特性を変化させて水素発酵優勢となったときには、DGGEバンドパターンが種菌とは異なり、メタン発酵微生物群集が変遷して、Crostridum属などの水素発酵を行う微生物群が優占種へと変化していることをつきとめた。今年度の成果は「グリセリンの処理方法」として特許出願(特願2009-41475)するに至った。
|