2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19656246
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若林 利男 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (10400277)
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Keywords | 原子力エネルギー / システム工学 / 制御工学 / 新型制御棒 / フロート武 |
Research Abstract |
原子炉の反応度制御に使用できる構造が簡単な新型のフロート型制御棒を考案し、その実証のための特性試験装置を製作し、実験を行った。フロート型制御棒試験装置は、内径80mm、長さ1500mmのアクリル製円筒チューブの中に、アクリル製の長さ300mm制御棒本体を挿入している。また、ポンプ、流量調整弁、流量計、制御およびデータ収集装置より構成されている。フロート型制御棒は、制御棒本体にテーパーを付けた構造で試験を実施した。制御棒本体のテーパーの加工は、0.1mmの精度で行うことができた。制御棒の上下の制御に使用する流体は、取り扱いの容易な水を使用し、その水を貯蔵するためのタンクも設けた。流量の制御は、ポンプ、流量調整弁により実施した。流量制御のために情報としては、流量計データを用いた。また、ポンプの回転数、調整弁の開度、流量計の指示値は、データ収集装置に蓄積し、実験結果の分析、解析値との比較に用いた。また、制御棒本体の位置の変化、振動状態を観察するための、ビデオ装置も設置した。実験の結果、流量制御により制御棒位置を1%の精度で制御できることを確認した。また、ビデオでの観察の結果、制御棒の振動、揺らぎは、十分に小さいことが分かった。今回の試験により、流体の入口流量を変化させるだけで、制御棒の位置を自由に変えることができ、原子炉の反応度の粗調整、微調整に用いることができる新型制御棒の基本的な特性を、実験的に実証できた。また、本フロート型制御棒を実際の原子炉に使用した場合の反応度特性解析を、幾何学形状を正確に模擬することができるモンテカルロコードを用いて実施した。対象原子炉として、高速炉を選定し、制御棒価値の解析を行い、フロート型制御棒で十分に制御能力が確保できることを確認した。フロート型制御棒は原子炉制御に十分使用できることを示した。
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