2007 Fiscal Year Annual Research Report
モデル生物を利用したミトコンドリアゲノムの安定性に関わる新規遺伝子群の探索
Project/Area Number |
19657001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
東谷 篤志 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40212162)
|
Keywords | アポトーシス / 細胞周期 / ミトコンドリア / チェックポイント / DNA複製 / mtDNA / Ataxia |
Research Abstract |
申請者は、モデル生物の1つである線虫を用いて、ミトコンドリアゲノムの複製、損傷、修復などに関する研究も展開し、線虫のPAR2.1遺伝子がミトコンドリアの一本鎖DNA結合タンパク質(mtSSB)として、ミトコンドリア複製に不可欠であり、同遺伝子のRNAi個体では、生殖腺内のミトコンドリアのコピー数が低下し、生殖細胞の発達が抑制されること、また、低酸素応答をはじめ酸化ストレス応答などを含めた大規模な転写レベルでの発現変動が生じることをみいだし、論文発表した。この内容はミトコンドリアDNA複製の低下から生じるミトコンドリアの機能不全による生物応答として、大変、興味深い発見であり、発表号のHighlight issueに選ばれた。さらに、同じく線虫の細胞周期のチェックポイント制御に関わるATR様遺伝子の遺伝的欠損変異体において、ミトコンドリアは存在するが、定量的なPCR法により、核DNAは一定で、ミトコンドリアDNAが特異的に減少することをみいだした。このような知見は国内外において未だなく、大変、新規性が高いものであり、まさに萌芽的な研究の1つの成果といえる。今後、引き続き、これらの分子レベルでの原因解明を実施する。
|
Research Products
(3 results)