2007 Fiscal Year Annual Research Report
制限酵素修飾酵素遺伝子の利己的ライフサイクル:転移・増幅・伝達の実験室での再現
Project/Area Number |
19657002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 一三 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30126057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 直史 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 寄付講座教員 (00396855)
小林 規子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 研究拠点形成特任研究員 (70466829)
河合 幹彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 研究拠点形成特任研究員 (80451904)
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Keywords | ゲノム構築 / ゲノム機能 / ゲノム再編 / ゲノム発現 / ゲノム維持 |
Research Abstract |
大腸菌での制限修飾遺伝子を持つプラスミドの複製を阻害したときの染色体への転移が、制限酵素の活性に依存する事を証明した。そのタイムコースを詳細に追った。その産物について、染色体のISによるCo-integrate形成によるものが多数であることを示した。相同組み換えを促進する紫外線照射によって、この転移の頻度が上昇した。これらから、「まずISがプラスミドに転移し、複製停止の状態で、制限酵素による染色体切断が、プラスミドのISと染色体のISの相同組み換えを促進する。」という2段階モデルを提唱した。さらに、組み換えに関与するある遺伝子と連鎖した産物も少数得られた。 枯草菌染色体で増幅したBamHI制限修飾遺伝子について、サザン法で正確にコピー数を調べた。いったん増幅するとコピー数の速やかな減少は起きないことを示した。また、コピー数の増加に比例して、共増幅したneo遺伝子産物の活性は増加するが、BamHI制限酵素活性はあまり上昇しないことを示した。これは、この増幅が遺伝子産物の発現に利用できる可能性を示す。 修飾遺伝子間のメチル化サイト競合による制限修飾遺伝子の水平伝達の阻害を次のように証明した。2つの制限修飾系において認識配列が重複した場合,競合するサイトにおいて一方のメチル化が他方のメチル化を阻害するが制限酵素によるDNA切断は阻害しないという場合が存在する。その関係にあるHpaIIの修飾遺伝子とBamHI制限修飾遺伝子の場合、HpaII修飾遺伝子の発現誘導によってこの遺伝子の形質転換効率は著しく低下し、液体培養中では生菌数の減少と染色体DNAの分解が観察された。Ssoll修飾遺伝子とBamHI制限修飾遺伝子でも、同様の結果が得られた。制限酵素感受性配列が制限酵素で切断され細胞死に至ることが示唆された。 制限修飾遺伝子の伝達についての細胞死型防御機構を証明解析した。
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