2007 Fiscal Year Annual Research Report
極限栄養環境に適応するための植物代謝制御機能の解明
Project/Area Number |
19657013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 淳二 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (10183120)
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Keywords | 炭素・窒素代謝 / C / N応答 / ユビキチンリガーゼ / 耐性変異体 / 栄養ストレス / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
2大栄養素である糖(炭素,C)と窒素(N)は,植物の代謝において密接な関わりを有している。植物は細胞内の炭素および窒素代謝物の相対量比(C/Nバランス)を感知し,環境に適応する能力,すなわちC/N応答機構を備えている。C/Nは植物の代謝および成長相の転換点までも制御する重要な栄養シグナルであるが,未だそのシグナリング機構は未知である。本研究は,モデル植物シロイヌナズナを用いて,C/N応答制御機構の分子メカニズムの解明を目指している。私たちは,既にC/N応答制御分子としてユビキチンリガーゼ(E3)をコードする分子SUPER SURVIVAL1(SSV1)の単離に成功しており,さらにユビキチン化タンパク質の分解装置である26Sプロテアソームの特定のサブユニットの変異が,C/N応答異常を引き起こすことを明らかにしている。今年度は,C/N応答における,新規E3分子SSV1の機能および26Sプロテアソームのサブユニット構造変換に着目した解析を行い,植物の栄養応答における能動的タンパク質分解ネットワークの果たす役割について解析した。その結果,以下に示す研究成果を得た。 膜結合領域を欠失したSSV1タンパク質に,仮のユビキチン化のターゲット分子としてMaltose Binding Protein(MBP)を融合させた分子MBP-SSV1を大腸菌内で発現させ,MBPを利用したアフィニティー精製を行うことで,サンプルを準備した。この分子およびその他のユビキチン化反応に必要な分子をin vitroで再構成し反応を行い,反応後のサンプルを抗ユビキチン化抗体でウエスタンブロッティングを行った。その結果,MBP-SSV1によるポリユビキチン化バンドが検出され,SSV1タンパク質が実際にユビキチン化活性を有することを確認した。
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Research Products
(6 results)