2007 Fiscal Year Annual Research Report
地衣類にみる共生藻の生存戦略システムをトランスクリプトミスから解明する
Project/Area Number |
19657018
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 郁子 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 准教授 (50312236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英治 秋田県立大学, 准教授 (60211984)
小西 智一 秋田県立大学, 准教授 (00281650)
原 光二郎 秋田県立大学, 助教 (10325938)
|
Keywords | 環境応答 / 共生関係 / トランスクリプトーム / 水ストレス / 窒素固定 |
Research Abstract |
本研究は、地衣類の共生藻が、共生状態と単独状態でどのように違っているかを網羅的に調査することで、共生関係を藻の側から明らかにすることを目的とする。近年、共生藻のひとつである原核光合成生物のシアノバクテリアについて、複数のゲノム配列が決定され、その情報を元にしたマイクロアレイチップの使用可能な状況が整ってきた。このチップを用いることで、共生状態と単独状態における藻において各遺伝子の転写量の違いを網羅的に調べることができる。 平成19年度は、シアノバクテリアを共生藻とする地衣類(モミジツメゴケ:Peltigera polydactylon)を材料にして、共生藻にとっての「共生」を実現させている因子を絞り込み特定していくために、生理学的実験を含む、以下のような研究を行った。 1.定点材料の確保と単離共生シアノバクテリアの維持管理。モミジツメゴケ(15112701株および15110501株)からシアノバクテリア(それぞれ1189P株および1190P株)を単離した。(岩崎、鈴木、原) 2.共生シアノバクテリアの種の同定(16SRNA系統解析、窒素固定酵素遺伝子nifD遺伝子の系統解析)の結果、Nostocに近縁であり、また窒素固定能の解析の結果、共生状態と単離した状態との間に窒素源獲得能に違いが見られた。(鈴木、原、岩崎) 3.共生シアノバクテリアの光合成活性について、共生状態と単離状態との違いを比較した。(岩崎) 4.予備的なトランスクリプトーム解析を行った。マイクロアレイチップへのハイブリダイゼーション実験の条件検討は、平成20年度に本格的に行う予定であるが、入手可能なDNAチップ(NostocPCC712,3-4 kb DNA断片のマイクロアレイ)を用いて、転写産物のハイブリダイゼーションなどに関する条件検討および解析に必要な先行実験を行った。(原、鈴木、岩崎、小西)
|
Research Products
(2 results)