2007 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞観測系による多細胞性シアノバクテリアの時空間パターン形成の解析
Project/Area Number |
19657019
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩崎 秀雄 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (00324393)
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Keywords | 糸状性シアノバクテリア / Anabaena / ヘテロシスト / 形態形成 / -細胞観測系 / マイクロデバイス |
Research Abstract |
目的:生命の時空間発展パターンの原理の解明を目指し,最も単純なモデル生物として単細胞性および多細胞性シアノバクテリアを用い,生物リズムおよび形態形成の分子ネットワークに着目する。単一細胞レベルの観察および操作を用いた動的ダイナミクスの解析を目指し,顕微鏡下での形態形成の自動モニタリングや操作系を構築する。また,概日振動と明暗応答の関連性,ヘテロシスト形成の時計によるmodulationについて調査する。 研究報告(長期間に及ぶシアノバクテリアの-細胞レベルの遺伝子発現リアルタイムモニタリング系の構築): まず、倒立顕徴鏡を用い、顕微鏡培養装置を用い、35mmシャーレ内の寒天培地上でシアノバクテリアを長期培養・観察できる系を確立した。このために、長時間の光照射に伴う寒天培地の乾燥や温度条件のブレを防ぎ、光軸の徴妙なズレに伴うピントの補正が重要であり、また条件設定に改善の余地がある。蛍光レポーターを用いた解析から、hetR遺伝子の発現動態を経時的にモニターすることに成功したが、発行レポーター系を用いた概日遺伝子発現の解析には至っていない。また解像度が低いことと、高振幅の概日発現遺伝子が知られていないことが主たる理由であり、後者についてはマイクロアレイ解析を行うことを検討している。 いっぽう、ヘテロシスト分化の動態についてはタイムラプス観察により、世界で初めて細胞系譜解析をバクテリアで行うことを可能にし、さまざまな生育条件下での分化プロファイルの解析に着手することが出来た。その過程で、マイクロデバイス工学を用いたマイクロチャンバーを複数試作して試すことにより、将来的には-細胞操作系の確立を視野に入れた研究を推進するつもりである。
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