2009 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の死んだふりと活動性を多面的に支配する生体物質の生理学的解明
Project/Area Number |
19657026
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮竹 貴久 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 教授 (80332790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 謙 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (40387353)
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Keywords | ドーパミン / 生体アミン / 対捕食者戦略 / カフェイン / セルフィッシュ / 天敵 / 群れの形成 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
今年度は,昆虫の活動性と関連のある生体アミン等物質のうち、ドーパミン以外のオクトパミン・チラミン・セロトニンなどの生体アミンの脳内存在量を調べた。その結果、長い時間死にまねするロング系統と短い時間死にまねするショート系統では、これらの存在量に有意な差はなかった。これまでの研究結果をまとめると、両系統ではドーパミンの脳内存在量に有意な差があること、ドーパミンのアクチベータであるカフェインの経口摂取および体内へのインジェクションが、ロング系統の死にまね時間を有意に短縮することから、コクヌストモドキの死にまね持続時間を左右している神経伝達物質がドーパミンであると結論づけた。またコクヌストモドキは、天敵であるアダンソンハエトリグモに襲わせたときには, ベンゾキノンを放出しないことが明らかとなり、死にまね行動の動かないという動作自体が有効であること。さらに、集団で暮らす本種では、不動という行為は、死にまねを行う個体の近隣に生息する同種他個体もしくは異種の個体が動き回ることで、天敵の興味をそちらに向ける効果のあることが判明した。このことは死にまねが、集団で暮らす個体にとっては利己的な行為として進化しうること、さらにこの効果が集団サイズをより大きくする可能性を示唆した。さらに死にまね行動と交尾行動には、遺伝的基礎を伴うトレードオフが存在することも証明した。
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Research Products
(7 results)