2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19657031
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10134199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (40311336)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 心臓 / コネキシン / 転写因子 / 筋原繊維 / アンチセンスモフホリノ / 先天性疾患 |
Research Abstract |
心筋や骨格筋等の横紋筋細胞では,その長軸方向に沿って筋繊維が整然と並んでいる。このことは,当たり前のこととして極自然に受け入れられているが,その分子基盤はいまだ明らかになっていない。特に,発生初期の筋細胞のどこでどのようにして筋繊維の形成が始まり,かつ繊維の向きが決定されるのかという根本的問題については手付かずの状態である。私たちが見つけた心筋細胞の筋原繊維の配向がランダムになるゼブラフィッシュの変異体ftkの解析を通して以下の成果を得た。(1)ポジショナルクローニングによって変異遺伝子を突き止めたところ,新規のコネキシン(Cx36.7,分子サイズ36.7kDaに基づく命名)で,発生の初期では心臓の前駆細胞で特異的に発現し,筋原繊維の向きを決めるとともに,心臓の発生にかかわる転写因子Nkx2-5の発現も制御していることが明らかになった。(2)アンチセンスモルホリノ(MO)によるノックダウン法により,上記コネキシンが原因遺伝子であることを確認した。(3)さらに,正常なコネキシンmRNAを一細胞期のftk受精卵にマイクロインジェクションすると,レスキューされ正常に発生することが確かめられた。(4)Cx36.7の低分子輸送体としての特性を明らかにするために,種々の蛍光色素を用いて取り込み実験を行なったところ,Cx36.7は親水性分子と疎水性分子の両方を通すチャネルで,ギャップジャンクションとしてもヘミチャネルとしても機能できるユニークなコネキシンであることが明らかになった。
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