2007 Fiscal Year Annual Research Report
未知翻訳後修飾にも対応する翻訳後修飾の一斉定量分析法の開発
Project/Area Number |
19657032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 淳 Kyoto University, 地球環境学堂, 助教 (20437255)
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Keywords | 翻訳後修飾 / 質量分析 / プロテオーム |
Research Abstract |
細胞内・細胞外の環境変化に反応するタンパク質の修飾を網羅的に検出するシステムを構築するために、今年度は(1)マススペクトル中のシグナル強度に差のあるペプチドの抽出(2)MS/MS測定の最適化(3)ペプチド配列同定フローの整備を行った。具体的には、まず12Cと13Cのリジン、アルギニンを用いて肝臓ガン細胞株He p G2を安定同位体標識することで、「重い」細胞と「軽い」細胞を作成し、それぞれの細胞に由来する同一配列ペプチドのピークは同時間に一定の質量差を有するペアピークとして検出されることを確認した。次に、データ解析ソフトProteinLynxを用いて、マススペクトル中からペアピークの抽出、相対強度比の計算のためのパラメーターの最適化を行い、測定誤差は1.5倍未満に抑えることができた。 MS/MS測定の最適化のために、抽出されたペアピークのm/ZとLCからの溶出時間をリスト化し、MS/MS測定のinclusion listに登録し、実際に登録されたピークが集中的にMS/MS測定されることを確かめた。また様々な翻訳後修飾に対応するためにコリジョンエネルギーを変化させて1ペプチドにつきMS/MSを複数回測定する方法の有効性を細胞由来リン酸化ペプチドを用いて行い、修飾の同定率を高めることを確認した。今後は実際に細胞を用いて、既知、未知の修飾ペプチドを同定するために有効な前処理法の検討が課題である。
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