2007 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性疾患の治療を目指したポリユビキチン鎖生成の高感度リアルタイム検出法の開発
Project/Area Number |
19657035
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳永 文稔 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00212069)
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Keywords | 酵素 / 細胞・組織 / 蛋白質 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
選択的なユビキチン修飾は多くの生命事象に関与することが明らかになり、真核生物の細胞機能の根幹の一つと言っても過言ではない。これまでに、Lys48結合型ポリユビキチン鎖がプロテアソーム分解のシグナルとなるが、Lys63型ポリユビキチン鎖はDNA修復やNF-κBの活性化などのシグナルとなることが明らかにされている。最近我々はHOIL-1LとHOIPからなる複合体型ユビキチンリガーゼが、ユビキチンのC末端のGlyを別のユビキチン分子のN末端a-アミノ基へ結合させる新規の「直鎖型ポリユビキチン鎖」を形成することを見いだしたが、その生理機能は不明である。そこで本研究で我々はポリユビキチン鎖生成を重合・分岐鎖の型別に特異的に検出する方法開発を目的とした。 本年度の研究として、まず我々は直鎖型ポリユビキチン鎖に特異的な抗体を作製するためにユビキチンのC末端とN末端を融合させたペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を作製した。その結果、(1)ユビキチンC末端12残基とN末端12残基を含む24-merペプチドに対する抗体、(2)C末端6残基とN末端6残基を2回含む24-merペプチド抗体、(3)C末端4残基とN末端4残基を3回含む24-merペプチド抗体の3種を作製したところ、(2)のペプチド抗体からLUBACが形成する直鎖型ポリユビキチン鎖に特異的に反応する抗体が得られた。さらに我々は、この抗体をイムノブロットに用いる際に転写膜をオートクレーブしてユビキチンを変性させることで検出感度が向上することを見いだした。また、蛍光タンパク質結合に用いるユビキチンとその変異体の大腸菌発現系を構築し、化学架橋に用いるため大量調整を進めている。
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