2007 Fiscal Year Annual Research Report
ランタニド結合配列を用いたエンドソーム・マクロピノソーム可視化
Project/Area Number |
19657048
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
廣明 秀一 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10336589)
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Keywords | バイオイメージング / 細胞内小胞輸送 / エンドソーム / マクロピノソーム / ランタニド結合タグ / タンパク質導入ドメイン |
Research Abstract |
本研究の目的は(1)わずか17アミノ酸残基の蛍光標識タグであるランタニド結合タグ(LBT)を用いた細胞生物学研究に適したバイオイメージング技術を確立すること、(2)とくにマクロピノサイトーシスやエンドソームのリサイクル現象を可視化すること、(3)新規のタンパク質細胞内導入ドメイン(PTD)を単離すること、の3点である。これらについて以下の成果を得た。 ● LBTを特異的に認識するウサギポリクローナル抗体を作成し、その抗体の有用性を評価した。抗LBT抗体は、細胞内に導入されたタンパク質のWestern法免疫ブロッティングと免疫蛍光染色顕微観察の両者に利用可能な高い活性と低い特異性を有していた。 ● 哺乳動物細胞での遺伝子発現ベクターpCDNA3.1ならびにpCAGGSにクローニングされた遺伝子に、LBTタグを付加して培養細胞でのタンパク質の発現を確認した。哺乳動物由来のタンパク質としては、細胞接着因子であり薬剤脳血漿関門にも関連するclaudin-3を利用した。p75NTRを用いた同様の実験は現在進行中である。 ● 既存のPTDであるHIV-TAT配列を用いた細胞外からのタンパク質導入とLBTによるマクロピノサイトーシス過程の生細胞での観察法が確立できた。 ● ヒト由来のタンパク質から内在性の新規PTD配列2種を単離同定し、その細胞内導入の経路がHIV-TATと同様のヘパリン依存的マクロピノサイトーシス経路であることを明らかにした(Exp Cell Research,論文投稿中、in revision)。 これらの研究は、おおむね研究実施計画どおりに進行しており、マクロピノサイトーシスの観察手法としてのLBT蛍光イメージング法はほぼ実用化できた。
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Research Products
(5 results)