2007 Fiscal Year Annual Research Report
全トランス型レチナールを発色団とするロドプシン類の解析とGPCRモデル化
Project/Area Number |
19657049
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寺北 明久 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (30212062)
|
Keywords | ロドプシ / Gタンパク質共役型受容体 / シグナル伝達 / 構造変化 / 視覚 / アゴニスト / レチナール |
Research Abstract |
これまでの研究から、ペロプシンは全トランス型レチナールを発色団とするが、光依存的にGタンパク質を活性化することが示唆されている。ペロプシンとロドプシンの構造変化を比較するために、蛍光プローブを導入し分光学的に以下の実験を行った。また、同じく全トランス型レチナールを発色団とするがGタンパク質を活性化しないレチノクロムも対照として実験した。 (1)水溶性蛍光消光剤を利用した膜貫通ヘリックスの構造変化の解析 ウシロドプシン、ペロプシン、レチノクロムについて、ヘリックス6の細胞質側に存在するアミノ酸残基をシステインに置換し、bimaneを用いて部位特異的蛍光標識を行うことができるのかを調べた。その結果、ウシロドプシンとペロプシンについては、蛍光標識したタンパク質を精製することに成功したが、レチノクロムについては、色素を効率よく精製することができなかった。さらに、ウシロドプシンとペロプシンについて、水溶性の消光分子KIを用いて解析を行ったところ、ウシロドプシンについては光依存的なヘリックス6の顕著な構造変化を検出することに成功した。現在、ペロプシン解析のための最適な条件を検討している。 (2)部位特異的蛍光消光を利用した膜貫通ヘリックスの構造変化解析 ウシロドプシンについて、ヘリックス6の残基の蛍光標識に加えてヘリックス3に消光分子であるトリプトファン残基を導入することができた。一方、ペロプシンについては発現量がすくなかった。すなわち、ヘリックス5などのヘリックス3以外の部位にトリプトファン残基を導入する必要があることがわかった。
|