2008 Fiscal Year Annual Research Report
全トランス型レチナールを発色団とするロドプシン類の解析とGPCRモデル化
Project/Area Number |
19657049
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寺北 明久 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (30212062)
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Keywords | ロドプシ / Gタンパク質共役型受容体 / シグナル伝達 / 構造変化 / 視覚 / アゴニスト / レチナール |
Research Abstract |
(1)水溶性蛍光消光剤を利用した膜貫通ヘリックスの構造変化の解析:蛍光プローブを部位特異的に導入するため、システイン残基を「消去」したウシロドプシン(Rh)、ペロプシン(Pero)を作製し、それらのヘリックス6に存在する250番目のアミノ酸残基に蛍光色素bimaneを導入し、蛍光寿命を測定し、RhとPeroの発色団の光異性化にともなうヘリックス6の溶媒への露出度変化の解析を試みた。また、消光剤を用いず244番目の残基にbimaneを導入し、蛍光スペクトルの変化からら構造変化を解析した。その結果、Rhについては、光照射によりヘリックス6の溶媒への露出を示す構造変化がとらえられたが、Peroについては、特に後者の実験から、光照射によりほとんど構造変化しない可能性が考えられた。 (2)部位特異的蛍光消光を利用した膜貫通ヘリックスの構造変化の解析ヘリックス3と6の構造変化の方向を比較するために、ヘリックス6の250、251番目に蛍光分子bimaneを導入、消光分子トリプトファン(Trp)をヘリックス3と5に導入した。ヘリックス3(139番目)へのTrpの導入は、Rhでは上手くできたが、Peroとレチノクロム(Ret)では困難であった。ヘリックス5の226と227番目にトリプトファンを導入した時、ともに発現量の低下がおこったが、227番目の場合(251C/227W変異体)についてはある程度純度よく精製に成功した。そこで、251C/227Wについて光依存的な分子内消光を解析した結果、Rhでは、光依存的にヘリックス6がヘリックス5に近づく結果が得られたが、PeroとRetの構造変化は捕らえられなかった。 (1)と(2)から、ウシロドプシンに比べてペロプシンとレチノクロムでは、光依存的な構造変化がきわめて小さい、または光依存的にほとんど動かないかもしれないことが示唆された。
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Research Products
(26 results)