2007 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシング反応に関与するSmu1の染色体安定性維持機構における機能の解明
Project/Area Number |
19657053
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
菅谷 公彦 National Institute of Radiological Sciences, 放射線防護研究センター, 主任研究員 (80280741)
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Keywords | 核酸 / 癌 / ゲノム / 進化 / 蛋白質 |
Research Abstract |
これまでの研究から、スプライシング反応に関与する分子Smu1の温度感受性変異が、スプライシング反応ばかりではなく、複製反応にも影響を与え、ゲノム安定性維持機構を破綻させて、姉妹染色分体交換の誘発などの染色体不安定性の表現型を生ずることを明らかにしてきた。しかし、現時点でスプライシング反応と複製反応との連関に関する知見はなく、またその破綻が染色体安定性維持機構に影響を与える機構は未知である。そこで、スプライシング反応に関与すると考えられるSmu1の変異が、複製反応に影響を与え、染色体安定性維持機構に影響を与える機構を解明するために、Smu1を含むスプライシング装置とその関連分子を特定することを試みた。 Smu1はタンパク質間の相互作用に寄与すると報告のあるWDリピートのモチーフ配列を持ち、このWDリピート配列内に染色体不安定性の原因となる温度感受性変異が存在していた。したがってSmu1分子と未知の分子との相互作用の異常が染色体不安定性の原因であることが予想された。そこで平成19年度は、タンパク質間の相互作用を解析するために、Smu1特異的抗体の作成を行った。最初にSmu1のアミノ酸配列を解析し、ユニークかつ抗体価が高いと予想される領域を選定した。次に合成ペプチド断片を抗原として、ウサギよりポリクローナル抗体を調製した。得られたポリクローナル抗体についてウェスタンブロッティングと間接蛍光免疫染色にて評価を行った結果、変性抗原に関しては有効な交差性を確認できたが、未変性の抗原に関しては満足な結果を得ることができなかった。
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