2007 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo光架橋実験によるタンパク質膜透過装置の相互作用ネットワーク解析
Project/Area Number |
19657061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 博幸 Kyoto University, ウイルス研究所, 准教授 (10243271)
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Keywords | in vivo光架橋 / SecA / SecYEG / SecDF / Protein translocation |
Research Abstract |
生体内で起こる様々な化学反応は複数のタンパク質因子間のダイナミックな相互作用を介して行われている。こうした、一過的かつ機能的な相互作用を理解する為には、生きた細胞内で生じている相互作用を検出する実験システムが必要である。米国のSchultz博士によって開発された部位特異的in vivo光架橋実験は、生きた細胞内での蛋白質問相互作用をアミノ酸残基の空間分解能レベルで明らかに出来る点から、注目を集めている。我々は、膜透過チャネルの中心因子SecYの細胞質領域を対象とした系統的なin vivo光架橋実験から、膜透過モータSecAとの近接部位を明らかにし、この手法の汎用性と有効性を実証した。本研究では、タンパク質膜透過チャネルのサブユニットの1つであるSecG分子全体を対象として、系統的なin vivo光架橋実験を行った。その結果、SecGの細胞質領域は、SecA, SecYの両者と近接しており、その相互作用様式は、SecA ATPaseのATP加水分解状態に応じて、大きく変化する事を見いだした。更には、SecGの2番目の膜貫通領域に光架橋性アミノ酸残基を導入した場合において、SecA, SecY, SecEとの架橋複合体とは電気泳動上移動度の異なるバンドを確認した。この結果は、SecGの第2の膜貫通領域は、未同定のタンパク質との相互作用に関わることが示唆された。現在、この架橋複合体の同定を進めると共に、SecGの膜透過機能における役割についての研究も進めている。
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