2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロドラッグを利用した細胞除去システムの確立と応用
Project/Area Number |
19657065
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川上 厚志 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (00221896)
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Keywords | 発生・分化 / シグナル伝達 / 小型魚類 / プロドラッグ |
Research Abstract |
生体内の細胞または細胞集団の働きを解析しようとする場合、細胞を取り除く実験が有効な解析法となる。レーザーを用いて物理的に細胞を殺すと方法や、遺伝子工学的な方法によりトキシン遺伝子を発現させる方法などが行われてきたが、信頼性の高い簡便な方法は確立していないのが現状である。本研究ではニトロリダクターゼ酵素(NTR)とプロドラッグを利用して、細胞集団を発生中や発生後の任意の時期に除去できる新たな方法の構築と応用を検討した。 H19-20年度の研究で、To12ベクターにNTRと蛍光タンパクとの融合遺伝子と、さらにプロモーターとしてefl alpha, eql (equinatoxin-like),dlx5a,junb, ilf2の5つの遺伝子の5'領域を組み込み、NTR融合遺伝子を発現するゼブラフィッシュ系統を作製した。プロモーターはいずれも再生中のひれの組織で発現増加が見られる遺伝子である。作製したトランスジェニックを用いて、プロドラッグmetronidazoleを水中に投与し、蛍光を発する細胞数の変化とアポトーシス、さらに再生阻害によって評価を行った。Tg(ilf2:NTR-EGFP)において、2-5mMのプロドラッグで蛍光の減少と再生阻害が見られたものの、その他については、期待したほどの十分な作用が検出できなかった。この理由は、1)5'上流域だけでは充分に強い遺伝子の発現をドライブできない、2)再生中組織は常に速い速度で細胞が供給され、細胞除去の効果が明瞭にならないなどの原因が考えられるが、本研究で構築したベクターと条件は、分化した細胞を標的としては充分に機能すると考えられ、今後、生体内の分化細胞を標的とした除去を試みていく。また、本年度は、遺伝子周囲を広く含むBACにEGFPとさらにTo12配列を組み込んだTO12-BACの作製も進めており、現在、系統の確立を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] An Autoregulatory Loop and Retinoic Acid Repression Regulate pou2/pou5f1 Gene Expression in the Zebrafish Embryonic Brain.2008
Author(s)
Parvin, M. S., Okuyama, N., Inoue, F., Islam, M. E. Kawakami, A., Takeda, H., Yamasu, K.
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Journal Title
Developmental Dynamics 237
Pages: 1373-1388
Peer Reviewed
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