2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19657068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 卓史 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (80202498)
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Keywords | 植物 / 細胞・組織 / 生体分子 |
Research Abstract |
動植物の発生・分化の研究では、特定の遺伝子やタンパク質の機能を調べるために、それらの発現を人為的に誘導するという手法がしばしば用いられる。現在そのような目的で利用されている発現誘導系では、誘導因子の性質上、発現誘導は個体・組織全体またはある程度の空間的広がりをもつ部分に対して行われている。しかしながら、発生・分化の制御において鍵となる遺伝子やタンパク質の発現は少数の細胞もしくは単一の細胞で起こることが多く、隣接する細胞間で制御遺伝子の発現状態が異なることも細胞分化パターンの形成において重要な要素である。本研究では、空間的位置の限定が容易な光を誘導因子として、植物の光受容体タンパク質フィトクロムを光分子スイッチとして用いる遺伝子発現誘導系の開発を行った。 APBとDNA結合ドメインおよびphyBと転写活性化ドメインの融合タンパク質をそれぞれ構成的に発現する遺伝子35S::APB-LexAおよび35S::phyB-VP16を作製した。さらに、LexA結合配列を有するプロモーターの下流に蛍光タンパク質YFPコード配列をつないだレポーター遺伝子UASLp::YFPを作製し、それら全てをパーティクルボンバードメントの系を用いてタマネギの表皮細胞に導入した。その結果、明条件下および赤色光条件下でYFPの発現が確認された。 タンパク質の細胞膜上での局在化のために、APB-YFP融合タンパク質および低分子Gタンパク質由来の細胞膜ターゲッティングシグナル(PTS)を付けたフィトクロム融合タンパク質をそれぞれ構成的に発現する遺伝子35S::APB・YFPおよび35S::phyB・PTSを作製した。
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Research Products
(3 results)