2008 Fiscal Year Annual Research Report
生命進化における原始RNPネットワーク・モデルの人工再構成
Project/Area Number |
19657071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (70281087)
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Keywords | RNA / RNP / ポリペプチド / 複合体 / 分子進化 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が従来行ったRNA酵素の分子デザインとRNP複合体の人工創製の研究成果を生かし、未踏領域であるRNAワールドと現存の生命システムを結ぶ「RNPワールド」の再構築に挑戦する。とくに「RNAとポリペプチド間のCross-catalysisとそのネットワーク化」に焦点をあて、最もシンプルなモデル系をデザインし実験的に再構築することに挑戦する。H20年度は、 1)RNP複合体の形成によるポリペプチド連結反応促進のより詳細な検討 2)連結したポリペプチドによるRNAの酵素機能の促進の検討を行った。 1)デザインされたRNAの鋳型上で、基質となる2分子のポリペプチドを反応に適した位置関係に固定でし、ペプチドの連結反応を効果的に促進する分子システムを昨年度に構築する事に成功している。H20年度はその促進効果が、意図したようにRNA上でのペプチドの固定によって進行しているかを確認するため、RNA成分、あるいはペリペプチド成分に系統的に変異を導入し、その効果を検討した。その結果、反応の促進は、意図したようにRNA上でのペプチドの固定によって進行している事を実験的に確認した。 2)1)のシステムで連結されたポリペプチドは2つのRNA結合モチーフを有し、鋳型RNAに特異的に外号する。したがって、鋳型RNAの構造がやや不安定になる溶液条件下においてポリペプチドを添加すれば、RNAの構造が安定化され、RNAの酵素活性がペプチド依存的に増強されると期待される。実際に実験を行った所、RNAの酵素活性がペプチド依存的に強されることが確認された。
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