2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一汗腺からみたヒト環境適応能の新しい評価法の開発
Project/Area Number |
19657076
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 徳彦 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
|
Keywords | 単一汗腺活動 / 運動負荷 / 安静温熱負荷 / 温熱性発汗 |
Research Abstract |
高温下での発汗機能を詳細に検討するためには,単一汗腺がどのような仕組みで適応し,それが全身での発汗機能とどのように関係しているのかの再評価が必要となる.本研究では,単一汗腺活動測定のための新しいシステムを開発し,それをもとにその活動を評価することを目的とした.平成19年度で開発した単一汗腺活動測定システムでは,単一汗腺活動の一部は記録できたが,単一汗腺へのカプセルの密着,湿度センサー回路の安定性の問題が残り,これらを改善し,さらに精度の高いシステムを構築することが課題となった.平成20年度では,単一汗腺へのカプセルの密着方法として,密着面積が大きいカプセルを試作し,それを用いて単一汗腺の活動の測定を行った.また,湿度センサー回路をさらに安定させるために,換気カプセル法で用いている流量の供給の安定をはかった.実験条件は環境温35℃,相対湿度50%の環境下で40分間座位安静(安静温熱負荷)と,さらに大きく発汗量を引き起こすために,環境温28℃,相対湿度50%の環境下で心拍数が120拍/分になるような負荷での自転車運動を30分間実施した.汗の測定部位は前腕部で,可能な限り二つの汗腺を同時に計測するようにした.単一汗腺活動測定システムの課題の検討により,平成19年度より安定して汗腺活動を測定することができるようになった,単一汗腺活動は安静温熱負荷では測定できたが,運動負荷では発汗量が多く,今回のシステムでは汗量が約4μg/gland/minまでであれば測定が可能であった.二つの汗腺活動はほぼ同期して起こっていたが,活動の大きさ(汗量)は汗腺ごとに異なっていた.したがって,本研究からin vivoで単一汗腺活動を連続的に検討する可能性はでてきたが,今回の方法では汗腺の同定等の煩雑さ,測定できる汗量の限界などがあり,単一汗腺活動の評価を実用的に行うにはさらに検討が必要である.
|
Research Products
(1 results)