2007 Fiscal Year Annual Research Report
発光ダイオードを用いた長日性花卉の開花促進システムの開発
Project/Area Number |
19658008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金浜 耕基 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (00113936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 喜則 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10233868)
西山 学 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80312627)
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Keywords | 長日性花卉 / シュッコンカスミソウ / モデル植物 / 発光ダイオード / 遠赤色光 / 開花促進 |
Research Abstract |
長日性花卉に長日処理を行う場合、白色あるいは赤色の光源を用いても花芽形成と開花が促進されない。この反応は、長日性のモデル植物であるシロイヌナズナにおいて遠赤色光受容体遺伝子PHYAのはたらきであることが明らかにされている。そこで本研究では、人工光のみで栽培可能なモデル植物ではなく、日中は太陽光の下で育てなければならない長日性花卉において、発光ダイオードを用いた長日処理が開花を促進するかどうか検討し、花芽形成関連遺伝子の発現を解析した。 研究材料には、長日性花卉で、これまで研究代表者らが研究実績を積み重ねてきたシュッコンカスミソウを供試した。昼/夜の温度として、シュッコンカスミソウの適温域(25/20℃)を設けて、花芽形成と開花を実用的なレベルまで促進する遠赤色光の強さおよび照射時間を調べた。比較対照として赤色光の発光ダイオードを用いた。また、遠赤色光を照射して花芽が形成されるときに作用する遠赤色光受容体関連遺伝子の発現について解析した。 その結果、シュッコンカスミソウの開花は赤色光による長日処理で促進されなかったが、遠赤色光による長日処理で促進された。遠赤色光による長日処理にはある程度強いレベルの照射照度が必要であることと、照射の時間が長いほど、期間が長いほど開花が促進された。このような反応はハウス栽培された他の長日性花卉でも証明されたので、遠赤色光発光ダイオードは長日性花卉の長日処理光源として実用性が高いものとみられた。遠赤色光による開花促進にはPHYA遺伝子の下流ではたらく花成早化遺伝子COの活性が高まることによって起こることが証明された。これらの研究成果は雑誌論文や学会発表などを通して公表した。
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