2009 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫プロインスリン(ボンビキシン)Cペプチドの新規ホルモンとしての位置づけ
Project/Area Number |
19658019
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩見 雅史 Kanazawa University, 自然システム学系, 教授 (40193768)
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Keywords | インスリン / 昆虫 / Cペプチド / MAPキナーゼ / シグナル伝達 / 直腸嚢 / マルピーギ管 / リラキシン |
Research Abstract |
インスリンは、線虫や昆虫での研究により、個体の生き残り戦略の要となる分子であることが示されつつある。これは、従来の「血糖調節・代謝調節」に係わるホルモンとしての機能を大きく展開させるものである。昆虫におけるインスリン分子(ボンビキシン)の全貌を明らかにし、Cペプチドの新規機能を明らかにするため、本年度は、新規ボンビキシン遺伝子の発現解析およびアミド化CペプチドのMAPキナーゼに対する作用を検討した。 (1)発現解析の結果、Vファミリー遺伝子は脳、Wファミリー遺伝子は脳及び卵巣、Xファミリー遺伝子は脂肪体、Yファミリー遺伝子は脳及び卵巣、Zファミリー遺伝子は脳、脂肪体及び卵巣で発現が見られた。 (2)アミド化Cペプチドとして、(1)N-GAQFASYGSAWLMPYSEGRamide-C、(2)N-DAQFASYGSAWLMPYSAamide-Cを用いた。また、非アミド化Cペプチドとして、(3)N-GAQFASYGSAWLMPYSEGRG-Cを用いた。体液ボンビキシン濃度の低い5齢2日と高い5齢10日幼虫からマルピーギ管と脂肪体を摘出し、前培養後、Cペプチド存在、非存在下で培養を行った。MAPキナーゼとしてErk及びp38のリン酸化亢進の有無を、抗リン酸化抗体を用いたウエスタンプロット解析により検討した。マルピーギ管、脂肪体いずれにおいてもアミド化、非アミド化を問わず、Cペプチド投与によるリン酸化Erk及びp38の増加は見られなかった。各実験区においてデータのばらつきが多いため、条件等の再検討が必要である。また、今後、他の組織、PI3キナーゼ等の他のシグナルカスケードで検討も必要である。
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