2007 Fiscal Year Annual Research Report
水田土壌の鉄およびマンガン集積層の生成に関与する細菌群集の解明
Project/Area Number |
19658026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 眞人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20092190)
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Keywords | マンガン酸化細菌 / マンガン結核 / マンガン集積層 / マンガン還元細菌 / DGGE / 16SrRNA / エネルギー獲得反応 / Proteobacteria |
Research Abstract |
1)PCR-DGGEおよびシークエンス法によりわが国の2っの水田土壌下層土中のマンガン結核に生育する細菌群集の16S rRNAを解析した。その結果,マンガン結核の細菌群集は、作土や下層土の細菌群集とは異なることが判明した。マンガン結核で見られた2つの土壌に共通な4つのDGGEバンドのうち,3つはDeltaproteobacteriaに属し、硫酸還元や鉄還元を行う細菌と推察された。その他、マンガン結核で見られたDGGEバンドは、Deltaproteobacteriaの硫酸還元菌、鉄還元菌、γ-およびα-Proteobacteriaのメタン酸化菌、Nitrospiraeの亜硝酸酸化菌やActinobacteriaに属した。加えて,マンガン結核の数本のDGGEバンドは、既存の細菌とは異なる細菌と推察された。以上の結果より,水田下層土のマンガン結核に生育する細菌群集は主にマンガン結核の還元に関与する細菌で構成されていると推察された。 2)次いで、マンガン酸化能を有する細菌、糸状菌をマンガン結核より分離し、16S rRNA,18S rRNAの塩基配列より分子遺伝学的解析を行った結果、Burkholderia、 Acremoniumが主要な細菌、糸状菌であることが判明した。また、マンガンを含む寒天平板培地上での分離菌のマンガン酸化様式は、コロニー全体、コロニー周辺部、コロニーから離れた部位と株毎にそれぞれ異なっていたが、いずれの株においてもマンガン酸化はコロニーの生育後期ないしは生育以降であったことから、マンガン酸化に伴って生成したエネルギーは生育に利用されていないと判断された。
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