2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素非集積植物におけるケイ素の有用生理作用の解明
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19658028
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岩崎 貢三 Kochi University, 農学部, 教授 (40193718)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 植物 / ケイ素 / 有用元素 / ストレス / マンガン / ミョウガ / ナス |
Research Abstract |
本研究では、イネ科植物等のケイ素集積植物以外の畑作物(ケイ素非集積植物)を取り上げ、様々なストレスに対して体内に存在する可溶性Siの果たす役割を解明することを目的とする。平成19年度の研究成果の概要は以下の通りである。 (1)ミョウガのリン酸、亜鉛栄養に及ぼすケイ素の効果 培養液中のZnレベルを0.3、1.0μM、Pレベルを0.5、1.0、1.5mM、Siレベルを0、1.0mMとし、これらを組み合わせた処理区を設けて水耕栽培を行なった。100日間栽培後、2番目に若い葉のZn、P、Siの全含有率および搾汁液中濃度を分析した。今回の実験では、典型的なZn欠乏症状である「ささば症」は観察されなかった。しかしSi0mM区の場合、P0.5、1.0mM区の葉のSPAD値は、P1.5mM区よりも低く、Si添加でSPAD値が向上する結果が得られた。これらの処理区では、Si添加で搾汁液中P濃度が上昇したのに対し、P1.5mM区では逆の傾向が認められた。また、Si0mM区とSi1.0mM区の葉の搾汁液中Si濃度は、2.4、22.7mgL^<-1>と大きな差が認められた。以上の結果から、ミョウガの葉に存在する可溶性Siは、体内でのP有効性を調節する機能を有すると推察された。 (2)ケイ酸質資材の施用がハウス栽培ナスの病害発生に及ぼす影響 高知県安芸市のナス栽培ハウスで農家の協力を得て、赤ナスとトナシムの栽培時に、ケイ酸質資材(シリカゲル肥料、イネルギー)を500kg ha^<-1>施用し、ススカビ病の発生程度を観察した。しかし、両品種ともに、ススカビ病の発生程度は、ケイ酸質資材を施用しなかった場合とほとんど変わらなかった。畑作物におけるケイ素の有用効果は、上述のミョウガやウリ科植物等の中間型のケイ素吸収パターンを示すものの方が現れやすいと考えられた。
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Research Products
(2 results)