2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いる抗ぜんそく・抗アレルギー薬スクリーニング系の開発
Project/Area Number |
19658033
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
玉置 尚徳 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (20212045)
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Keywords | 血小板活性化因子(PAF) / PAF合成酵素 / アシル転移酵素 / アレルギー / 薬剤スクリーニング / 酵母 |
Research Abstract |
平成19年度の研究計画に基づいて酵母PAF合成酵素(Lpt1)の機能解析を行った。LPT1高発現株より調製したミクロソーム画分を用いて基質特異性を検討した。その結果、Lpt1は、PAF合成活性以外に、リゾホスファチジン酸(LPA),リゾホスファチジルコリン(LPC),リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE),リゾホスファチジルイノシトール(LPI),リゾホスファチジルグリセロール(LPG)等のリゾリン脂質へのアシル転移活性も有していることが明らかとなった。本酵素は、中長鎖(C16-18)のアシル基に高い活性を示し、特に不飽和結合を含むものを好んだ。lpt1破壊株では、ミクロソーム画分におけるこれらアシル転移活性は消失したことから、Lpt1が主なリゾリン脂質アシル転移酵素であることが示された。lpt1破壊株は、増殖などの表現型に大きな変化は認められなかったが、以前に報告されたLPAアシル転移酵素の遺伝子であるSLC1との二重破壊株は致死性を示した。 これらの結果は、Lpt1が、PAF合成活性のみならず非常に幅広いリゾリン脂質へのアシル基転移反応を担う酵素であることを示している。このようなアシル基転移酵素は、これまでに存在は認められていたが同定はされておらず申請者らの発見によりこの分野の研究が進展するものと考える。 lptl,slc1の2重変異株が致死であることから、本株にヒト由来のホモログ遺伝子の発現を行うことで、PAF合成酵素阻害剤のスクリーニング系の構築が可能性となると考える。
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Research Products
(3 results)