2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の嫌気呼吸機能を活用する環境修復技術のための基盤研究
Project/Area Number |
19658038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
加藤 暢夫 Kyoto Gakuen University, バイオ環境学部, 教授 (50026556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 吉史 京都学園大学, バイオ環境学部, 講師 (20434657)
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Keywords | 嫌気性微生物 / 嫌気呼吸機能 / 脱窒条件 / 微生物コンソーシア / ETBE / Geobacte / 嫌気的芳香族化合物分解 |
Research Abstract |
1)難分解物質を分解する嫌気性微生物の探索と分離 エチル-tert-ブチルエーテル(ETBE)はガソリンのオクタン価向上剤であり、地球温暖化防止対策の一環として、ガソリンへの添加が検討されている。ETBEが微生物によって好気的に分解されることは知られており、その分解経路に関する知見も蓄積されているが、ETBEによる実際の汚染現場である嫌気環境下での微生物分解についての詳細は不明である。本研究では、ETBEを脱窒条件で分解する微生物コンソーシアを取得し、これを馴養・集積することによってその分解に関与する微生物を特性することを試みている。ETBEの嫌気分解は確実に起こるものの、その速度は遅く、初期には1mMのETBEを分解するのに2ヶ月程度を要した。しかし、半量の培地交換を繰り返し行うことによって、その分解速度も着実に速くなっている。現時点では、分解微生物を細胞レベル、遺伝子レベルで特定するまでには至っておらず、引き続き、集積培養を継続する必要がある。 2)難分解物質を分解する嫌気性微生物の生理機能の解明 自然環境下での物質分解では、特定の物質の分解に主に関わる単一種微生物の働きに加えて、ニッチに存在する微生物ギルドの機能が重要である。本研究では、土壌中に普存する木質系有機物を念頭に置き、バニリン酸やシリンジン酸などのリグニン関連物質を様々な酸素分圧下で分解する微生物の挙動を精査した。スクリーニングによって取得した各菌株を16S rRNA遺伝子によって同定するとともに、分解と酸素分圧との影響を調べた。また、これらの物質の基本骨格として安息香酸を取り上げ、鉄還元性を有するGeobacter属細菌を用いて、芳香環の嫌気的開裂に関わる遺伝子群のクローニングに成功し、反応特性などを明らかにして、通性および偏性嫌気性細菌による嫌気的芳香族化合物分解経路が同一であることを見出した。
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Research Products
(5 results)