2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しいプロテアソーム阻害法の開発と花芽形成機構解明への応用
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19658041
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柳川 由紀 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 特任助教 (90432591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 智子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 研究員 (00360488)
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Keywords | 阻害剤 / プロテアソーム / ユビキチン / 植物 / シロイヌナズナ / タンパク質分解 |
Research Abstract |
プロテアソームは生体内の多くの機構制御に重要な役割を果たしているタンパク質分解酵素であり、分解される基質タンパク質には分解シグナルとしてユビキチン(Ub)鎖が付加される。現在Ub・プロテアソームの研究のために市販のプロテアソーム阻害剤が用いられているが、市販の阻害剤はその吸収率の問題から植物では培養細胞やリーフディスクなどでしか使用できず、植物個体で効果的に作用する阻害剤(法)の開発が必須である。そこで本研究では、植物個体で効果的に作用する新しいプロテアソーム阻害法の開発及びそれを用いた応用研究を目指している。 プロテアソーム阻害法の応用として、平成19年度に作出した形質転換植物(Ub hydrolase-insensitive Ub鎖を発現させるDEX誘導型シロイヌナズナ)を利用して花芽形成時でのUb化タンパク質の網羅的解析を行うため、形質転換体の花芽からUb化タンパク質の精製・同定を引き続き行った。しかし、実際に質量分析機で解析を行うと予想に反しほとんど同定できなかった。そこで確実な解析法を確立するため、すでに精製法が確立している芽生えを用いてUb化タンパク質の質量分析を行い、これに関して論文報告した。花芽での解析は芽生えでの成功法を元に手法改変を行い、継続中である。次にシロイヌナズナ以外の植物でもプロテアソーム阻害法の効果を検証するために、イネに着目し形質転換体の作出を試みた。しかし、イネでは平成20年度での形質転換体作出の失敗同様、その後の研究に使用できる形質転換体の作出が出来なかった。イネの研究は長期を有するため、イネ研究に固執することはやめ、実験を停止した。
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