2007 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素の目視検出及び蛍光イメージングのための新規試薬の開発と応用
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19658049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤坂 和昭 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10201881)
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Keywords | 活性酸素 / 目視検出 / 抗酸化活性 / 酸化安定性 |
Research Abstract |
目視評価のための試薬として、2,2',4,4'-tetrahydroxybenzophenoneより3-hydroxyxanthaneを合成した。この3-hydroxyxanthane、及び市販の4-benzylphenolを用い、目視検出抗酸化活性評価法への応用の可能性についてリノール酸メチルを基質として検討した。その結果、4-benzylphenolでは基質の酸化に伴う発色は観測されなかった。一方、3-hydroxyxanthaneでは、リノール酸ノチルの酸化に伴い黄色〜橙色に発色した。そこで、簡便な抗酸化性評価法構築に向け、抗酸化剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)を用い、96穴のミクロプレートに各種濃度の試料ジエチルスクシネート溶液、及び試薬を溶解したリノール酸メチルを加え、室温で反応させ、ビデオで発色をモニターした。その結果、BHTを加えない場合2時間程度で発色が観測されたが、BHTを加えた場合、その濃度に従い発色開始までの時間が徐々に長くなった。リノール酸メチルの酸化の進行をジフェニル-1-ピレニルホスフィンを用いたHPLC-ポストカラム法により同時に追跡した結果、発色は基質として用いたリノール酸メチルの最初の過酸化物量に関係なく(但し、発色開始の時間には影響した)、脂質過酸化物の増加、つまり誘導期が終わり自動酸化の連鎖反応が開始した時点から始まることが明らかとなり、脂質過酸化反応の開始を目視検出できることが可能であった。抗酸化成分として、没食子酸、没食子酸プロピル、Protocatechuic acid、エピガロカテキンガレート、フェルラ酸、コーヒー酸、カテキン、Syringic acidなどについても検討した結果、同様に濃度依存的に発色までの時間が遅延したことから、発色までの時間、或いは一定時間内で発色が確認された抗酸化成分の濃度のから、抗酸化能を評価することが可能であること強く示唆された。
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