2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素の目視検出及び蛍光イメージングのための新規試薬の開発と応用
Project/Area Number |
19658049
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤坂 和昭 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10201881)
|
Keywords | 活性酸素 / 目視検出 / 抗酸化活性 / 簡易評価法 |
Research Abstract |
前年度の研究結果に基づき、多検体試料の抗酸化性を簡便かつ短時間で評価する方法の開発を目指し、3, 6-dihydroxyxanthaneを脂質溶液に加えて反応を行い、酸化反応により急激に生成する色素の発色により、連鎖反応の開始を検出する方法について検討した。試料としてBHT、BHA、α-及びδ-トコフェロール、propyl gallate、ferulic acid、syringic acid、4-hydroxycinnamic acidの8種のフェノール性化合物を用い、これらをコハク酸ジェチル(DES)に溶解し試料溶液とした。これをミクロプレート(8x12穴)にとり、プレート上で順次1/2希釈した。これに試薬溶液を50μl加えて、蛍光灯照射下、室温で放置し、1時間ごとに写真を撮影すると共に、490nmの吸収を測定した。抗酸化性は、1)一定の試料濃度において吸光度が1.0を超えたときの時間、及び2)目視により反応開始から3時間後に発色が確認された最大の試料濃度によりそれぞれ評価した。比較のため、リノール酸メチルに対し10%(v/v)の各2.0mMの試料溶液を加え50℃で酸化を行い、ヒドロペルオキシド濃度DPPP/HPLC-ポストカラム法により測定し、ヒドロペルオキシド濃度が50μmol/ml(過酸化物価約110)に達するまでの時間で抗酸化性を評価した。この結果と上記1)及び2)のいずれの方法による評価結果も相関係数r>0.92と高い相関性が得られた。抗酸化剤を含まない系において、MLoの酸化開始には50℃の条件でも数時間以上を要したのに対し、3, 6-dihydroxyxanthaneを加えた発色系では室温、1〜2時間程度で酸化が進行した。この時間は光照射の有無、及びその程度により影響を受け、照射量が多いほど酸化開始までの時間が短縮されたことから、3, 6-dihydroxyxanthaneから生成した色素が光増感剤として自己触媒的に作用し、評価時間の短縮と鋭敏な評価が実現したものと考えられた。以上の結果から、多検体の試料の抗酸化性を比較的短時間で、目視検出により簡単に評価する方法を確立することができた。
|
Research Products
(1 results)