2007 Fiscal Year Annual Research Report
食品免疫機能分子の作用機構解明のための次世代腸管培養実験系の開発
Project/Area Number |
19658054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八村 敏志 The University of Tokyo, 大学院・豊学生命科学研究科, 准教授 (40238019)
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Keywords | lgA抗体 / 経口免疫寛容 / 樹状細胞 / 製御性T細胞 / 腸管免疫 / パイエル板 |
Research Abstract |
腸管組織培養系の条件について確定できず、再構築型組織培養系の開発に向けて、まず以下の通常の共培養による解析評価系を構築した。 (1)lgA応答解析系:CDllc陽性細胞として分離したパイエル板樹状細胞と脾臓lgM陽性B細胞、またはパイエル板B220陽性B細胞の共培養によるlgA抗体産生評価系を構築した。CpG DNA, LPSの添加によりlgAが誘導され、本実験系に食品成分を添加して、lgA誘導能の評価に利用できることが示唆された。(2)経口免疫寛容誘導解析系:卵白アルブミン(OVA)に特異的なT細胞抗原レセプター(TCR)を発現するDO11.10TCRトランスジェニックマウスにOVA含有水(100mg/ml)を1週間経口投与し、経口免疫寛容を誘導した。この経口免疫寛容マウスより分離したCD4T細胞は低応答化しており、また同TCRトランスジェニックマウス由来未感作T細胞の応答を共培養抑制し、さらにFoxp3の発現が上昇していた。本実験系は、食品成分による制御性T細胞誘導効果の評価に利用可能と考えられた。一方、腸管樹状細胞を同TCRトランスジェニックマウス由来未感作T細胞と共培養し,抗原添加により制御性T細胞への分化が誘導できるかどうか検討した.Foxp3の発現誘導能は,既報のように腸管由来樹状細胞で若干高く、またTGF-βの添加により増強された。一方で、低応答化や免疫抑制活性は安定して観察されず、さらに条件検討が必要と考えられた。これに関し、経口免疫寛容の誘導されたマウス由来の樹状細胞の利用の検討を開始した。
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