2007 Fiscal Year Annual Research Report
種子病原菌による森林生態系の個体群動態制御機構の解明
Project/Area Number |
19658064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
市原 優 Forestry and Forest Products Research Institute, 東北支所, 主任研究員 (10353583)
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Keywords | ブナ / 種子腐敗 / 天然更新 |
Research Abstract |
森林生態糸を維持保全するためには、森林樹木の天然更新メカニズムを明らかにする必要がある。とくに、環境変動に伴う植生変化の可能性が指摘される中においては、樹木の天然更新を阻害ずる因子を特定し、そのインパクトと変動を把握することが森林衰退を予見するためにも必要である。本研究では樹木個体群動態を制御する病原菌に着目し、その天然更新に与えるインパクトを明らかにすることを目的とする。ここでは、ブナ種子腐敗病菌をとりあけ、ブナ天然更新の初期段階におけるブナ種子腐敗病蘭の個体群動態制御機能の解明に向けて、病原菌による種子腐敗の発病メカニズムと、病原菌の全国的な分布を明らかにすることを目標とする。ブナは豊凶が明瞭であるために実験用の新鮮な種子を手に入れるととが困難であるが、本年度は秋に試料採取に奔走し、ブナの並作という状況下で実験に必要な無菌種子の採取・調整を行うことができた。ブナの種子腐敗は種子が落下した秋から越冬した春までの間に発生するため、本年度はその発生時期に合わせ、ブナ種子腐敗病発生メカニズムの解明に向けて、病原菌の感染時期と感染率を明らかにするための試験設定を秋李に行った。さらに、病原菌の全国地理分布を解明に向けて、全国数力所の菌株を確立し、あらたにに南限と北限で種子腐敗病菌の採集試験を設定した。次年度の雪解けを待って、ブナ種子腐敗病菌の感染率調査や全国的な採集による菌株確立を行う予定である。
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