2007 Fiscal Year Annual Research Report
複数の性的表現型を持つ性転換魚類の遺伝様式解析のための実験モデル創出
Project/Area Number |
19658078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 倫也 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (00183955)
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Keywords | 性転換魚類 / 性的表現型 / 遺伝様式 / 雌性先熟 / ホシササノハベラ / 初期餌料 / ワムシ |
Research Abstract |
19年度は高密度で培養したS型ワムシを仔魚飼育水槽に高密度で投入する方法を試みた。 高密度培養ワムシを餌料とする利点として以下のことが挙げられる。 1.高密度培養では、通常の培養法よりもサイズの小さいS型ワムシが多くなる。 2.ワムシの世代交代が早いため卵を持ったワムシが多く、その卵もベラ仔魚の餌となり得る。また、その卵は投入したべラ仔魚飼育水槽中で孵化し、その孵化直後のサイズの小さいワムシも餌となる。 10月下旬にホシササノハベラのIPメスとTPオスから得た受精卵を50リットルおよび200リットル水槽にそれぞれ約2000個、5000個、10000個投入し、卵が水槽中で撹拌される程の強めの酸素通気を行って止水で飼育した。受精卵は受精の1日後にふ化し、ふ化後3日目に仔魚の開口が確認できるため、餌の投入は開口前のふ化後2日目に開始した。高密度培養で飼育したS型ワムシを70μm径のネットで濾して大型のものを取り除いた後に30μm径のネットで集め、ワムシ個体数が230〜920個/mlとなるように仔魚飼育水槽に投入した。このとき、ワムシの個体数とワムシ卵数の割合は約2:1であった。 全実験期間において全ての仔魚はワムシおよびワムシ卵を摂餌しなかった。以上の実験結果は、ワムシおよびワムシ卵の径が口径より小さいにもかかわらず、開口直後の本種仔魚はワムシを食べないことが明らかとなり、本種仔魚の餌料としてワムシは不適切であると考えられた。次年度は、カキその他のトロコフォア幼生を用いて仔魚飼育を試みる予定である。
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Research Products
(5 results)