2008 Fiscal Year Annual Research Report
数理生態モデルを用いた外来魚ブラックバスの管理システムの開発
Project/Area Number |
19658088
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千賀 裕太郎 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90142231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 憲司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40192083)
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Keywords | 外来種 / ブラックバス / 生物多様性保全 / 在来種 / 数理モデル |
Research Abstract |
1.ブラックバス及び在来魚類の生態研究 (1)湖沼における事例:山梨県の西湖及び精進湖においてブラックバスの1種であるオオクチバスの食性と在来生物の種間関係について調査を行った。その結果、両地域ではハゼ類及びエビ類を主な餌としており、食性に差は見られなかった。しかし、精進湖ではオオクチバスの体サイズが大きくなるとハゼ類からエビ類へと食性変化が起こるのに対し、西湖では体サイズに関係なく同じハゼ類を利用していた。これは餌生物の体サイズが影響したものであることが明らかとなった。 (2)ため池における事例:岩手県奥州市のため池50箇所において魚類相調査を実施した。このうちブラックバスは18箇所のため池において生息が確認された。ブラックバスが侵入した1haに満たない小規模のため池では、在来魚類はほとんど確認されず、ドジョウやフナの大型個体のみが生息していた。一方、大規模のため池では多様な在来魚が生息している事例が確認された。在来魚の生存に差異を生じる原因を解明するために、今後も継続的な調査と分析が必要である。 2.数理モデルによる被害防除シミュレーション H-Pモデルを用いて、2種類の防除手法(駆除と捕食圧抑制)によるブラックバス個体数の低減効果についてシミュレーションしたところ、駆除と同様に捕食圧抑制によってもブラックバスの個体数が減少し、在来魚の個体数が増加する可能性が示唆された。
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