2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19658093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
夏賀 元康 Yamagata University, 農学部, 教授 (70333995)
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Keywords | 微弱発光分光 / ケミルミネッセンス / 玄米 / 品質 |
Research Abstract |
有機物を構成している分子が化学変化を起して分子の形を変えていくときに、化学変化前後の結合総エネルギー差分が光として外部に放出されることがある。これがケミルミネッセンスと呼ばれる極微弱な光である。この微弱発光現象は食用油脂の劣化度の判定などに応用されているが、ほとんどが測定波長範囲の光量を積分値として測定している。そこで、最近開発された、高感度の分光系を採用した微弱発光分光装置(日本アプライドテクノロジ社、ナノルミネッセンス・スペクトロメータ MS-8310)を用い、玄米の品質との関連を調査した。その結果、 1. 搗精歩留を97%から88%まで段階的に変化させた測定したところ、発光強度は搗精歩留が小さくなる(糠の除去率が大きくなる)に従って発光強度が小さくなったことから、発光は表面の糠で主に発生していることが明確になった。 2. 青米と発光の関係について調査するため、選別を行い青米のみと整粒のみで測定したところ、青米の発光強度は整粒の約6倍であった。これはクロロフィルに起因するものと思われるが詳細は現時点では不明である。また、この知見により安定した測定を行うためには青米を除去する必要があることが判明した。 3. 油脂の酸化に伴う発光現象であることを証明するため、発光阻害剤のアジ化ナトリウムを添加して測定したが、加えない場合と比べて大きな変化は観測されず、証明はできなかった。今後、アジ化ナトリウムの濃度と添加量を検討するなど、さらに研究する必要がある。
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