2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19658101
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋爪 一善 Iwate University, 農学部, 教授 (10355737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居在家 義昭 岩手大学, 農学部, 教授 (10414880)
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 准教授 (40337994)
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Keywords | 遺伝子 / マイクロアレイ / 免疫応答 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
2009年度は、妊娠に関連する遺伝子群を特定し、その内数種の遺伝子を用いた妊娠診断法を検証し、その有効性を明らかにした。 1.特異発現遺伝子の発現解析 前年度までにマイクロアレイにより同定した妊娠の開始に関連して変動する遺伝子群を妊娠ウシ末梢血白血球中に同定した。末梢血白血球のうち、顆粒球細胞で特異的に変動することを見いだした。今回主として検証した遺伝子はウシの着床直前の初期胚が特異的で多量に産生するインターフェロン・タウに関連する遺伝子、ISG15、Mx1、Mx2、OAS-1である。妊娠14日あるいは21日と妊娠直前に採取した白血球とを比較すると、マイクロアレイ解析では、個体により変動があるが、これら遺伝子はいずれも受胎個体で有意に高発現であった。この発現量は、定量的RT-PCRにより確認できた。末梢血白血球、特に顆粒球に発現するこれら遺伝子群を用いて早期に妊娠診断が可能なことが明らかとなった。 2.血液細胞の収集法の開発 顆粒球白血球に対象とする遺伝子群が高発現することから、これらの細胞群を効率的に収集する手法を検討し、比重遠心法により目的とする細胞を高濃度に集積できることを確認した。その画分の細胞比率をフローサイトメーターおよび形態学的検証から、集積細胞の90%以上の細胞が目的とする細胞であることが確認できた。 3.遺伝子診断法の有効性の検証 妊娠前後のウシの血液を採取、顆粒球白血球を分離して、その発現量を比較し、授精後14日目で、発情周期および譜受胎ウシの顆粒球細胞での発現に比較して高発現であることを確認した。 これらの結果から、末梢血顆粒球中の特異的な遺伝子を検出することから牛の超早期妊娠診断がかの上有るとの結論に至った。この診断法について現在特許申請中である。
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Research Products
(5 results)